2015年 03月 19日
嘴が伸びすぎた男 |
今日も去年Sipka様で行った個展【追憶と眠りの国~眠りの為の回顧展~】の作品を紹介します。
今日は【嘴が伸びすぎた男】です。
ぎゅうぎゅうに入っているのが好きなので、人形は入るか入らないかのぎりぎりの大きさで作っています。
ゴールドに塗装された木の実と一緒に入っています。
しましまのパンツを穿いています。
かわいいです。
会期中はSipka様でも「デカパン先生」の愛称で親しまれていました。
では物語です。
わたしの嘴に異変が起き始めたのは数日前のことであった。
朝起きて鏡を見ると嘴が随分と伸びていたのである。
わたしは目を疑ったが、それでも不便ではなかったのでそのままにして生活をしていた。
しかしそれから幾日か経っても嘴は伸びることをやめず、いよいよわたしの嘴はまるで犬の尾のように渦を巻いていた。
そしてとうとうわたしは口が開けられなくなった。
会話も出来なければ食事も出来ない。
元々小食ではあり、数日何も食べなくても平気な体質ではあったが、
食べられないことがこんなにも辛いとは思いもしなかった。
禁止とは欲を増幅させるものなのだと、一大事に身を置かれながら妙に納得したのである。
物語には書いていないのですが、この子は最期の時に一番お気に入りのしましまのパンツを穿いていてよかったなあと思っている、という裏話があります。
また、この子はこんな体になってから漸く気付くことが沢山あって最終的に餓死してしまうのですが、
そこまで深刻には捉えていないようですし、楽観的な感じがします。
こんな風にのんきでおおらかにありたいというわたしの理想像なのかもしれません。
瓶詰めシリーズはこれで終わりですが、明日からはまたちょっと変わったものに入ってる子や入ってない子達を紹介していきます。
明日も引き続き紹介頑張ります。
また見てね(・ξ・)つ◎
eerie.
by eerie-eery
| 2015-03-19 21:41
| mono oki goya