2015年 03月 22日
戦場に行った兵士 |
今日も去年Sipka様で行った個展【追憶と眠りの国~眠りの為の回顧展~】の作品を紹介します。
今日は【戦場に行った兵士】です。
題名ですが、『戦場』か『戦争』かどっちだったかあやふやです。笑
持っているフォークと箱はヴィンテージです。
家の撮影場所では上手く撮れなかったのでSipka様にて撮影したものです。
それでもやっぱり箱の影が出来てちょっと見にくいかも。
顔はいびつです。
足はぼろぼろです。
フォークは武器です。
足元にも沢山転がっています。
転がっているフォークは古めかしく加工してありますが新しい物です。
それでは物語です。
戦場で私は沢山の人を殺した。
長い間を遠い国の知らない土地で過ごし、仕事の様に殺人を繰り返した。この行いが一体何の為なのか考えることはきっと意味がなかった。
愛する人の傍にもおれず、沢山の死体を作り上げ、私は何を守ったというのだろうか。
ある朝、私は戦場で朝を迎えた。死体だらけの焼け野原にも清々しい朝の空気があった。
ふと愛おしい顔を思い出す。
ちゃんと生きているだろうか。
本当は怖くて仕方がない。死ぬことも、愛おしい人とはなればなれになってしまうことも。
家族のこと。友人のこと。人ばかりではない。柱の傷や季節の変わり目の匂い、私の生活に寄り添ったあらゆることを愛おしく感じた。
当たり前の普遍的な生活を当たり前に過ごしたい。
当たり前に繰り返されるおかえりとただいまを思い出しながらそう思った。
その時、頭の奥に妙な音が響いた。
振り向くと死体の山から敵の兵士が這い出て虫の息のまま銃をこちらに向けていた。
銃口からは煙の柱が立っている。私は頭を撃たれた様だった。
何だ、あの兵士、死んでいなかったのか。
しくじった。私はまだこんなにも死にたくないと思ってしまった。
青く遠い空が裏切るような清々しさで頭上を滑っていく。
私はただ愛する人の元へ戻りたかった。
兵士の体の真ん中だけ色が無いのは、からっぽになってしまった、もしくは本音に気付かないでいようと目を背けている心を表しています。
兵士の気持ちには、わたしが死ぬのが怖いと思っていた時に体験した気持ちなどを重ねている部分はあるかなと思います。
死が恐ろしいという気持ちは昔からたまになります。
生きているから仕方ないのですが。
明日も紹介頑張ります。
またみてね(・ξ・)つ◎
eerie.
by eerie-eery
| 2015-03-22 20:00
| mono oki goya