また随分と更新が空いてしまいました。
今回は、Guignol様で開催中の天体観測展に出品中の作品を紹介させて頂きます。
本当は月世界旅行展という展示企画に出品予定だったのですが、
昨今の状況を鑑み、天体観測展に出品される作家様と合同でWEB SHOPでのみの開催となりました。
天体観測展(WEB SHOPのみ)
時:2020年6/6(土)-28(日)
場所:大阪中崎Guignol様のWEB SHOP
http://guignol.jp/
そしてわたしの作品なのですが、ここでの告知が遅れてしまいましたので、一品既に旅立ってしまった状態なので、とりあえずご紹介まで・・・
(ご購入下さったお客様、誠にありがとうございます!!!)
『ユーカリのクレーター』
ユーカリはベガの言葉を思い出しながら、手の中にある星に視線を落としていた。
青く輝くその星は、半分に割れている。
割れても尚、光り続ける星の命をユーカリはずっと見つめていた。
あの日、ユーカリとベガはいつものように新しいクレーターを探して遊んでいた。
ベガが周りを気にしながらユーカリを手招きする。ユーカリがベガの元に駆け寄ると、2人は並んでクレーターの陰に座り込んだ。
「オリオンのベルトが消えたのを知ってる?
あれ、僕が持ってる」
ベガがポケットから青く輝く星を取り出した。
「ビスケットにしたから半分こにして食べよう」
ベガはオリオンのベルトを半分に割ると、ユーカリに渡した。
「綺麗だね、食べるのが勿体ないくらい」
ユーカリが半分になったオリオンのベルトをいろんな角度から見ていると、
「そうだな、折角綺麗だし暫く眺めていようか。そしてまた今度会う時に一緒に食べよう」
とベガが提案をした。
「いいね、約束ね」
そして2人はいつもの「またね」を言って、いつものように家に帰った。
それから約半年が過ぎた。
最後に「またね」を言った日から、ユーカリとベガは会えなくなってしまった。
「またね」が当たり前でないことを、ユーカリは何度も何度も反芻して悲しくなった。
けれど、悲しくなると必ずオリオンのベルトが優しく光り、ユーカリの味方になってくれた。
ユーカリは今日もお気に入りのクレーターの中でベガを待っている。
半分に割れたオリオンのベルトを持って。
そしてそのもう半分は、きっとベガの手の中にある。
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そして、アクセサリーも一つ作りました。
『消失したオリオンのベルト』
ユーカリとベガが半分こにした星のブローチです。
二つに割れたデザインなので、好きな配置にしたり、誰かと分けて付けて頂けます。
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こんな感じで出品しています。
現在消失したオリオンのベルトはまだあるみたいですので、是非Guignol様のサイトをチェックしてみて下さい。
コロナウイルスの影響で、展示やイベントが軒並み延期や中止になってしまっていますね。
周りの方々が苦労している話を聞くたびに胸が締め付けられる思いです。
今回、月世界旅行展が延期とのお知らせを受けて、作品のお話の内容も急遽変更し、
作品も6月と12月に分けて出品するなど、この時期にもがいた証みたいなものを残すような形で発表してみました。
わたし自身の事ばかりになってしまいますが、今年決まっていた諸々の展示のお話しも延期して頂いたりと、話し合いながら手探りで進めている状態です。
作品を作り、発表する身として出来る事は何なのか、どうあるべきなのか、わからないままですが、
なるべく納得しながら大切な人達や自分の命を大切にして生きていきたいです。
この作品とお話の続きは、12月に延期になった月世界旅行展に出品する作品へと続きます。
12月の月世界旅行展では、上のお話に出てきたベガが登場します。
是非お楽しみにして頂ければ幸いです。
そして12月、無事に展示が開催されることをお祈りしております。
長々となってしまいました。
最後になりましたが、皆様、いつも以上にお体に気を付けてお過ごし下さい。
また展示が出来るようになった暁には、是非会場でお会いしましょう。
それまでどうかお元気で。
今回も最後まで読んで下さって誠にありがとうございます◎
eerie.